累犯障害者:出所後の自立支援 県、来月に定着センター開設へ /宮城

◇「福祉とつなげ再犯防止」
 知的障害や高齢の受刑者の出所後の自立を促すために、県は2月1日に「県地域生活定着支援センター」を開設し、社会福祉施設への入所などさまざまな福祉サービスを利用できるよう支援する事業を始める。知的障害を持つ受刑者は出所しても住居などの生活拠点がなく、福祉サービスを受ける行政手続きも知らないまま自立した生活を送れずに再び犯罪を繰り返すケースが多く、「累犯障害者」として社会問題化している。宮城県の開設は全国で11番目。立岡学センター長(36)は「福祉とつなげれば再犯は防げるはず」と意気込んでいる。

 県社会福祉課によると、支援センターの運営は、立岡氏が理事長を務めるNPO法人「ワンファミリー仙台」に委託する。同NPOは02年に路上生活者の就労や住宅支援活動を開始。09年2月には路上生活者を一時的に保護する「シェルター」の運営を始めたところ、これまでに約100人が利用し、うち5人が知的障害者だったという。
 この5人のうち4人は前科があった。累犯障害者の多くは社会や人とのつながりが切れているためアルコールやギャンブルに依存しやすくなり、定職に就けず、所持金がなくなると犯罪を犯す「負の連鎖」に陥っているという。立岡氏はシェルターの運営を巡って県と話し合いを続けている中で、今回の支援センターのことを知り、事業に乗り出すことを決めた。立岡さんは「福祉関係者とのネットワークを広げることで、より良いサービスを提供できる」と語る。
 支援センターのスタッフは5人。宮城刑務所に非常勤で勤める社会福祉士や精神保健福祉士と、元保護観察官が仙台保護観察所などと連携し、障害者手帳の発給など受刑者に必要な福祉のニーズを出所前から把握する体制を整える。さらに、ワンファミリーを中心に出所後の受け入れ先となる授産施設や養護老人ホームと連携し居住地を確保する。
 事業費は国庫で全額負担。県は約1700万円を10年度当初予算に計上する方向で厚生労働省と調整している。
 ◆「拒否」の恐れも
 しかし、支援センターの開設後も、「元犯罪者」との理由で受け入れを拒否する福祉施設が相次ぐ恐れもある。仙台保護観察所によると、宮城刑務所からは年間20人ほどの知的障害者が出所する。保護観察所側は「犯罪は軽微な場合も多く、受け入れ先には事件の内容をできるだけ丁寧に説明し理解を求めたい」としている。
 受け入れ先の確保に加え、別の課題も浮上している。厚労省の狙いと裏腹に支援センターの開設が全国で足並みがそろわなかったため、他県の刑務所を出所した元受刑者が支援センターのある宮城県への居住を希望する可能性もある。国が負担する事業費には支援センターの事務所の家賃などが含まれていないため、事業の受託を見送るNPOや社会福祉法人は多い。県社会福祉課は「先に開設した自治体ほど業務の負担が重くなる可能性もある」と指摘する。
 法務省のまとめによると、08年に入所した全国の受刑者2万8963人のうち237人(0・8%)が、医師により知的障害者と診断された。このうち再犯者は155人(65・4%)に上っている。【出典:毎日新聞】

始まったばかりの支援領域。どんどん広がって定着していってほしい

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