10 月 26 2002
二つの紅いあめ玉
「ここ、空いとろうか?」
通学中の電車の中。
どこか懐かしい、聞き覚えのある声に、高校生の歩美は、読んでいた本から声の方向へ視線を移した。
「はい。あっ!!」
一瞬、歩美の息が止まり、床に本を落としてしまった。
歩美が驚くのも無理はなかった。
歩美に声をかけたのは、ちょうど一年前に亡くなった歩美のおばあさんだった。
小柄な、腰をかがめた白髪のおばあさんが、どこまでも優しい笑顔で、そこに立っていた。
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