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福祉ナビ:福祉や医療現場で広がる美容ケアとは。

◆福祉や医療現場で広がる美容ケアとは。
 ◇「きれいでいたい」を応援 患者、高齢者に活気、意欲/リハビリに効果

 「口紅はどの色を付けましょうか」

 10月下旬、高齢者が入所する神戸市内のケアハウスの一室。化粧ボランティア「shin・shinハッピークラブ」のメンバーが、約20色の口紅を並べた化粧パレットを差し出すと、認知症の女性の顔がパッと輝いた。

 「この色がいいわ」。指さした色を、リップブラシで唇に付け鏡を見せると、女性は「ありがとう」と満足そうにうなずいた。代表の藤多東亞子(とあこ)さん(65)は「施設職員に『こんな笑顔は初めて見た』とびっくりされて、お年寄りたちが喜んでくれるのが励みです」と話す。

 同クラブは昨年4月に結成した。メンバーは市人材センターが主催した化粧ボランティア講座の修了者で、50?60代の主婦14人。1年間、プロのメーキャップアーティストにテクニックを学んだ後、今春から同市近隣を中心に活動を始めた。

 出張メークが縁で、今は四つの高齢者施設から定期的に依頼を受けている。1人月2000円の会費から化粧品代なども工面するため、運営費のやりくりは楽ではないが、藤多さんは「寝たきりでもパジャマ姿でも、女性はいつまでもきれいでいたいと思う。その願いをかなえる手助けをしたい」と言う。

     *

 美容と福祉を結びつける動きも始まっている。山野美容芸術短大(東京都八王子市)は99年4月、日本初の「美容福祉学科」を開設した。3年制で美容師と介護福祉士の資格を取得し、福祉の知識をもつ専門家の育成を目指している。また、同年には日本美容福祉学会も設立された。介護の知識と技術がある「美容福祉師」の養成を始め、これまで509人が資格の認定を受けた。

 「高齢者や患者は社会から切り離されがちだが、美容ケアは他者の目を意識し、自分の社会的役割を思い出すきっかけになる高度な社会的行為です。リハビリに積極的に参加するようになったり、徘徊(はいかい)が収まったという報告もあります」

 こう話すのは、同短大の野澤桂子教授(心理学)。野澤教授らは04年度、北里大病院に入院中の女性のがん患者90人に、定期的に化粧などの美容ケアを行い、ケアをしなかった患者と精神状態を比べた。その結果、ケアをした患者は「怒り・敵意、混乱」といった負の感情が早く低下し、「活気」が上向く傾向が出たという。

 野澤教授は「美容は生死に直接関係せず、ぜいたくな行為とみなされがち。日本では高齢者や患者が美容に気を使うことに抵抗感が強いが、施設など現場の理解が得られるよう、さらに効果の検証を進めたい」と話す。

     *

 西南学院大大学院研究生の餘目(あまるめ)玲子さん(43)は2?5月、高齢者施設に入・通所する認知症女性15人に月3回程度の化粧をして、その都度、自画像を描いてもらった。精神科医や芸術療法の専門家と協力し、使った色の数や塗り方、顔の部位の位置、大きさなどを調べた。

 すると、徐々に使う色の数が増えたり、描き方が丁寧になったほか、リハビリにも落ち着いて参加するなどの効果が見られたという。餘目さんは「美容ケアが精神面の安定をもたらし、コミュニケーションやリハビリへのやる気を引き出す一つのきっかけになったのでは」と分析する。

 賀戸一郎・同大大学院教授(高齢者福祉)は「自分らしく生きるために必要な理・美容や化粧などへのニーズの対応は、介護保険制度のサービスとは認められておらず、高齢者施設でも、ボランティア頼みの不定期のプログラムやレクリエーション程度の位置づけだ。リハビリ的効果を発揮できる場を、もっと増やしていく必要がある」と話している。【出典:毎日新聞】

北欧が先進地域と聞いている。この国でもリハビリとして位置づけて、広めてほしい

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