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’09記者リポート:介護保険の制度改正 現場の評価生かす仕組みを /石川

◇ケアマネ独立へ、環境改善も急務
 要介護認定基準の今年4月の改正後、介護保険サービスを必要とする高齢者に戸惑いが広がっている。体の状態に変化はないのに、1次判定で従来より「軽度」とされた事例が相次いでいるためだ。厚生労働省は10月に基準を再修正する予定だが、元の水準に戻るかどうかは不透明。1次判定の結果を審査する金沢市の介護認定審査委員、小坂直樹さん(44)は「制度の簡素化を」と訴える。小坂さんが施設長を務める高齢者介護施設「リビングデイサービス」(同市涌波)で、介護の現場に生じているひずみを取材した。

 ◆強く訴え、ようやく元の認定に
 「痛みはひどいけれど、皆と一緒にいると気がまぎれるの」。利用者の女性(83)が足をさすりながらほほえむ。股関節が変形する病気で歩くのが難しく、軽度の認知症も患う。女性は02年に「要介護1」と認定された。
 しかし、06年の法改正時、より軽度の「要支援2」と判定され、ヘルパーの利用時間が削減された。大金をなくしたり、自宅を訪れた保険外交員と生命保険を契約したり。このときは娘が慌ててクーリングオフの手続きを取った。明らかに認知症の兆候と見られるケースも、自宅訪問調査では認定されなかった。
 昨年5月の審査。小坂さんは女性に同伴した。市の調査員に、認知症への理解を強く訴え、介護区分はようやく「要介護1」に戻った。それでも小坂さんは「自宅の調査だったら『要支援』のままだったかもしれない」と晴れない表情だ。
 ◆一人一人が把握し切れているか
 「リビングデイサービス」の利用者は現在約30人で、平均年齢は86歳。障害程度区分は比較的軽度だが、約半数の利用者は認知症だ。現在の利用者には、今春の制度改正で軽度の判定をされた人はいない。だが、小坂さんは「福祉分野の政策は全体的に変化が激しすぎて、当事者がついていけない」と警鐘を鳴らす。
 今年4月、金沢市の認定審査委員になった小坂さん。調査員の調査結果に疑問を抱くことは少なくないという。調査対象の高齢者とは初対面というケースもしばしば。「必ずしも個々の特性を十分に把握し切れず、場合によっては、さらに軽度に判定される可能性もある」と指摘する。
 ◆コンピューター任せに疑問
 介護保険サービスの認定は、主治医の意見書と訪問調査で答えた数十項目の質問を基にコンピューターが要介護度を判定。医療、保健、福祉の3分野から選ばれた有識者らで構成する認定審査会が2次判定でチェックする。金沢市の場合、3人1組の合議体が全部で64あるが、審査したうちの約8割は1次判定のままという。
 小坂さんによると、1回の協議で約30人分を審査するが、中には30分程度で終わる合議体も。「すべての合議体で適切な判定ができているのかどうか」。小坂さんは疑問視する。
 これに対し市は「事前に資料を丹念に読み込んでもらっており、時間の長短が判定に影響するとは考えていない」と話す。
 「コンピューターの精度を我々がチェックする現状の制度は建設的とは思えない」と話す小坂さんが提唱するシステムは−−。主治医の意見書と、利用者に日ごろから接する介護支援専門員(ケアマネジャー)の評価を基にしたケアプランに応じ、介護保険を給付する、というものだ。
 その一方、「ケアマネジャーの報酬が低く、事業主体からの独立性が担保できない現状では難しい」とも。「ケアマネジャーが独立開業できる程度に介護報酬を引き上げるような政策が求められる」。現場の声に軸足を置いた、介護を取り巻く環境の改善が求められている。【出典:毎日新聞】

本来、政治に翻弄されてはいけないが、今後は安定した制度運営を望みたい。とりあえずは、10月の介護基準の見直しがされるか見守りたい

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