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介護認定:新基準 理念なき見直し 旧判定認め不満封じ 選挙控え圧力も

要介護度を軽くされ、サービスが削られるのでは??高齢者の不安が募る中、4月1日にスタートした介護保険の必要度を7段階に分ける新認定基準について、厚生労働省は導入からわずか2週間で態度を変更。新基準での要介護認定に不満があれば、当面それまでの判定結果も認める方針に転じた。高齢者の不満が広がる前に「芽」を摘んだ格好だが、制度発足直後の見直しには「理念が感じられない」との批判の声も上がっている。

 「なぜこんなに不満の声が上がるんだ」

 3月に入り、舛添要一厚生労働相は新認定基準に関し、介護保険を所管する老健局幹部を再三ただした。「大臣はひっくり返すつもりだ」。幹部の不安をよそに、新基準は4月1日、予定通りスタートしたが、3日の衆院厚労委員会で舛添氏は新基準を検証する委員会の設置を表明。13日の初会合で、認定据え置き容認の方針を打ち出した。

 介護保険発足から10年目を迎え、3回目の見直しとなる09年度は、要介護認定の地域間のばらつきをなくすことに力点が置かれ、最終的に1次判定の調査項目を82から74に簡素化した。「簡単な調理ができる」といった6項目が追加される一方、「幻視・幻聴」などの14項目は削除された。

 厚労省は「判定精度を高めるため」と言う。だが、09年度は介護職員の人件費増が至上命令。その財源をひねり出す給付削減策ともみなされ、介護関係者らの間に「実態に見合う判定ができなくなる」との不安を呼んだ。

 3月12日には評論家で「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」共同代表の樋口恵子氏らが新基準の凍結を舛添氏に強く求め、結果的に舛添氏を動かした。衆院選を控えた与党からの圧力もあり、舛添氏は4月の実績を検証したうえで、基準の再見直しも辞さない意向だ。
 ◇「やり直し」自治体は悲鳴

 唐突に見える撤回劇だが、ある自治体幹部は厚労省から1月中旬に「4月に実施しない場合の影響」を問われている。結局、国はこの時点で決断できず、新年度の作業が始まった直後の方針変更となった。横浜市介護保険課の担当者は「やるなら3月中に通知してほしかった」と嘆く。

 同市に見直しの通知が届いたのは4月下旬。5900件の申請を受理した後だった。手つかずは200件だけで、4月分のほとんどが「やり直し」になった。

 市はこの人たちに、以前の要介護度を望むかどうか聞かねばならない。厚労省は再訪問による調査を想定しているが、5900人を再び訪れるのは不可能として、市は文書で確認を求める。理解できない人が続出することも想定され、やはり文書で対応する別の政令市の担当者は「高齢者は混乱するし、自治体の信用にもかかわる」と不満をもらす。
 ◇朝令暮改の厚労行政
 ◇後期高齢者制度/リハビリ日数制限/障害者自立支援法

 厚生労働行政をめぐっては、ここ数年、制度発足とともに批判を浴び、手直しするパターンが続いている。

 昨年は後期高齢者医療制度が世論の猛反発を受け、負担軽減や保険料の年金天引きの見直しを迫られた。06年度に導入されたリハビリテーションの日数制限は1年で緩和。障害者自立支援法完全施行の06年10月から2カ月後には、負担軽減策などとして、3年間で1200億円の特別対策が講じられた。

 厚労省の迷走について、駒村康平・慶応大教授は社会保障費の抑制圧力と厚生族議員の力量低下が原因と指摘する。「予算の総枠を増やせず、制度改正は国民に『悪くなった』と映る。国民に理解を求める政治家も減った」と言う。同省幹部は「以前は批判されても正しいと思えば進めたが今は与党からも弾が飛んでくる」と嘆く。【出典:毎日新聞】

こんなことをいつまでやっているのだろう

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