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認知症の在宅復帰 専門職の育成が急務

認知症患者の在宅復帰を促す認知症短期集中リハビリテーション(認知リハ)の実施はこれまで、ごく限られていました。4月から対象者が拡大され、家族や患者の期待は高まっています。「専門職が不足」などの声が上がるなか、実施機関は増えるのでしょうか。

 オフィスビルが立ち並ぶぶ東京・大手町。今年3月、全国の療養病床が加盟する日本慢性期医療協会が「認知症短期集中リハビリテーション医師研修会」を開いた。

 精神科医、神経内科医を除き、認知リハにかかわる医師は研修修了が必要。会場の約280席は満席だった。

 しかし、出席者の数が即、認知リハの実施につながるわけではなさそうだ。高知県の女性勤務医(40代、内科)は「実施は未定。参加したのは、認知症患者と接する機会が増えたから。個人的に認知リハを知っておきたいと思いました」。東京都の男性勤務医(50代、内科)も「うちは、精神科医が非常勤で、専門職の数が十分でない。スタッフを養成しなければ、実施は難しい」とした。

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 認知リハは18年度に介護報酬がついたが、介護老人保健施設(老健)しか算定できず、対象者も軽度者に限られていた。全国老人保健施設協会(全老健)の20年10月の調査によると、加盟する老健約3300のうち、「提供できる」としたのは381施設で1割強に過ぎなかった。

 各老健が認知リハ加算を取得できなかった理由については、別の調査で「リハ専門職不足」が54%で最多、「対象者がいない」が50%で続いた(複数回答)。

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 4月からは認知リハが介護療養病床でも算定できるが、どの療養病床も積極的というわけではなさそうだ。

 日本慢性期医療協会の武久洋三会長は「徘徊(はいかい)や介護拒否をするような認知症患者には手がかかり、認知リハにはマンパワーが必要。難しいのは理解できる」としたうえで、「認知リハを行うことで患者や家族の評価は高まり、実施する療養病床や老健の評判はよくなる。その積み重ねで患者が増えれば、全体が活性化する」と期待する。

 同協会が研修会を実施し、認知リハを積極的に進める背景には、厚生労働省が打ち出した療養病床の再編計画がある。平成23年度末までに介護療養病床を全廃、医療療養病床を削減する内容だ。

 武久会長は「廃止、削減といわれるが、療養病床で社会的責務を果たそうとする医師の決意を結果にし、療養病床の負のイメージを変えていく。介護療養病床でも認知リハができるようになったのを機に、適切に治療して早く帰すという本来の病院の理念をきっちり実行したい」としている。

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 ■「言いがかり」など改善

 全老健は19年度に、認知症患者65人と、認知リハを受けた205人の計270人を対象に効果を検証。認知リハを受けた人は、「言いがかり」「同じことを何度も聞く」「場違いな服装」「昼間寝てばかり」「物をなくす」「介護拒否」「無関心」「暴言」などの症状が、受けなかった人よりも有意に改善することが分かった。また、「昼夜逆転」でも改善可能性があった。

 一方、「徘徊」「散らかし」「ため込み」などでは、違いがなかった。

 杏林大学医学部の鳥羽研二教授は「認知リハをした人は、家族の介護負担が大きい『言いがかり』や『暴言』『介護拒否』などで改善がみられ、認知リハには在宅復帰を促す可能性がある。程度別に症例を増やし、検証する必要がある」と話している。【出典:産経新聞】

専門職不足。ここでもマンパワーが足りない。制度設計が場当たり的な気がしてしまう

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