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目の不自由な人の映像鑑賞、音で助ける 動きや情景解説

目が見えない人や目の不自由な人も、テレビやDVDを「見ている」ことをご存じですか。視覚障害者にも親しめるよう、ナレーションで動きや情景を解説する番組や映画が増えています。

■NHK教育で8.7%

 東京都豊島区に住む織田洋さん(54)はケーブルテレビの海外ドラマが大好きだ。FOXテレビの「24」(トゥエンティフォー)は全シーズン見たという。

 11歳で、わずかに見えた右目が突然見えなくなり、全盲に。ただ、音声で内容をつかめるためテレビは必需品。「テレビは『見ない』と思われるかもしれないが、そうじゃない」と話す。

 推計31万人いる視覚障害者はどうやって情報を入手しているのか。厚生労働省の06年の調査では、テレビが最多の66%で、家族・友人の55%やラジオの49%を上回った。

 テレビ局も、視覚障害者向け放送を行っている。

 「自分の子供がどのような場面を見て笑っているかが理解できて、うれしかった」

 これは、視覚障害がある母親が日本テレビに寄せた感想だ。日テレは08年4月、レギュラー番組のアニメでは初の解説放送を「それいけ!アンパンマン」で実施し、反響を呼んだ。セリフや物音だけではわからない動きや情景を、副音声で読み上げる放送のことだ。

 日テレは83年3月の「火曜サスペンス劇場」で解説放送を始めて以来、熱心に取り組んできた。07年度は223時間30分まで増え、民放では圧倒的に多い。「どの番組に付与されているのかを視聴者にいかに伝えていくか」(編成局)が課題だという。

 総務省の07年度のまとめでは、日テレよりさらに多いのはNHKで、教育で685時間23分(全放送時間の8.7%)、総合で328時間29分(3.7%)。同省は解説放送の割合を17年度までにNHK総合や民放で10%、NHK教育で15%に引き上げようと07年に新指針を定めた。これが実現すれば、「海外と比べても低くない数字」という。

■業界はNPO設立へ

 壁となるのは、解説放送用の脚本を作る費用や手間だ。民放に対しては番組制作費の半分を上限とした補助制度もあり、08年度はテレビ朝日が「徹子の部屋」で始めるなど徐々に増え始めた。

 全日本視覚障害者協議会の山城完治総務局長(52)は「視覚障害者は『テレビ難民』だ。ニュース番組で外国人が話す場面があるが、画面に字幕が出るだけではわからない。ただ、本格的な解説放送は始まったばかり」と今後に期待を寄せる。

 市販やレンタル用のDVDでテレビの解説放送に当たるのは、音声ガイドや音声解説などと呼ばれる。音声ガイド制作を手がけるNPO法人シネマ・アクセス・パートナーズによると、市販DVDでは00年に映画「グリーンマイル」に入ったのが最初。現在、約50作品に増えたが、障害が主題の映画に限られる傾向がある。

 そこで、それ以外の映画やアニメ作品にも音声ガイドを広げようと、映画やDVD制作会社など業界が協力し、NPOを6月に立ち上げる予定だ。その1社でDVD制作などを手がけるキュー・テックは「エンターテインメントにも対応させたい」と話す。

 日本点字図書館(東京都新宿区)は独自に映画の音声解説CDを作り、07年度から上映会や貸し出しを始めた。パソコンで市販DVDを再生する際、解説をかぶせて流す仕組みで、現在68タイトルある。田中徹二理事長(74)は「本当に力を入れている番組や作品には音声解説をつけてほしい」と、テレビ局やDVD制作会社に求めている。【出典:朝日新聞】

もっと、もっと増えてきてほしい

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