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糸魚川のケアハウス火災:発生1週間 入所長期化で「要介護」増 /新潟

◇「自立」前提の防火対策と矛盾
 糸魚川市大沢の高齢者福祉施設「ケアハウスハイツ能生」で7日未明に出火し、入所者の86歳女性が死亡した火災から1週間。同施設への入所は自立して生活できることが条件だったが、入所の長期化とともに要介護者が6割を占めるなど、防火対策の前提と入所者の実態が食い違っていた問題点が浮かび上がってきた。

 ◆行き場なく
 「入所が長くなると要介護認定を受ける人も出てくるが、すぐに追い出すわけにもいかない」。ハイツ能生の斉藤修施設長(53)は苦しい胸の内を明かす。
 ケアハウスは、身の回りのことが自分でできる60歳以上が入所条件。だが、入所者28人のうち17人は要介護認定を受けていた。亡くなった山田マキさん(86)は要介護1で難聴、火元の部屋の女性(81)も要介護3で軽度の認知症だったという。
 県内にケアハウスは56カ所。県社会福祉士会会長で新潟医療福祉大の松山茂樹准教授は「要介護の入所者はどの施設でも増えており、『自立』の前提条件は揺らいでいる」と指摘。介護が必要な人が入所する特別養護老人ホーム(特養)は08年2月現在で定員1万1426人なのに対し、入所できない申込者が1万6600人に上るといい、ケアハウスが症状が軽い人の実質的な受け皿になっている。
 ◆ソフト面見直し
 消防法で定められたケアハウスの防火対策は、入所者の「自立」が前提。ハイツ能生には、特養なら設置が義務化されているスプリンクラーがなく、避難マニュアルにも要介護者を優先して救出する手順は盛り込まれていなかった。
 ハイツ能生を運営する社会福祉法人「能生名立福祉会」は11日の理事会で、スプリンクラーを各部屋に設置することを決めた。だが、他の施設にも設置が広がるかは微妙だ。松山准教授は「ケアハウスを単独で運営する法人は経営が厳しく、手が回らない」とみる。
 一方で、松山准教授は「ソフト面の対策見直しに力をそそぐべきだ」と進言する。理事会では、要介護度の重い入所者を1階に移動させ、宿直には健康状態を記した部屋割りを配布、避難マニュアルも見直すことになった。
 ◆地域との連携
 今回の火災では、地元と連携した救出活動が注目された。防災無線を聞き、消防より先に火災現場に駆けつけた小杉秋治さん(55)は、2階ベランダによじ上り、入所者を窓から屋外へ誘導した。
 小杉さんは施設から依頼を受けた「防災等協力員」。斉藤施設長は「職員だけの初期対応には限界がある。協力員のお陰で助かった入所者もおり、大変感謝している」と話す。
 だが、どこまで救助にかかわるかは課題も残る。小杉さんは煙を吸い込むなどして病院で手当てを受けた。糸魚川市消防署の吉川慶一署長は「消防隊が到着するまで救助にあたるのが協力員の役割だが、危険を伴う場合もある。2次被害を出すことだけは避けなければならない」と話す。【出典:毎日新聞】

行き場のない人たち。行政の責任は大きい。今後のことを十分にしてほしい

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