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医療ナビ:介護職の医療的ケア。どこまで可能?

◆介護職の医療的ケア。どこまで可能?
 ◇簡単な処置のみ容認 実態は看護師不足で幅広く実施
 ◇現場に不安の声も…研修義務化、範囲見直し不可欠

 愛知県安城市の会社員、加藤克助さん(62)は認知症の母親(93)を介護している。脳内出血で体が不自由になり、食事の飲み込みもできない。胃に管を通す胃ろう法で栄養補給しているが、朝昼夜の1日3回、栄養剤の注入が必要だ。

 胃ろうは「医療行為」とされ、医師、看護師、家族に限られる。看護師の訪問は週1回のため、昼は職場から帰って注入。自由に動けるのは、月2回利用している介護施設の短期滞在(2泊3日)のときだけだ。加藤さんは「在宅介護では、毎日訪問してくれる介護士の存在は欠かせない。医師や看護師の指導や管理のもと、胃ろうなどを介護士ができるようにしてほしい」と訴える。

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 介護職の医療行為の問題はこれまでもたびたび議論になった。厚生労働省は現在、特別養護老人ホーム(特養)での介護職による医療行為の是非を検討している。2月の検討会初会合では、厚労省が昨秋、特養6083施設に実施した「医療的ケアに関する実態調査」結果が公表された。

 それによると、午前9時?午後5時に看護師が勤務している施設は全体の99・8%だが、午後8?10時は3・4%、午後10時?翌午前6時は2・6%に過ぎない。しかし、医療行為とされるたんの吸引の約20%は、看護師がほとんどいない夜間に行われていた。

 たんの吸引や経管栄養は介護職が行えば医師法などに抵触する。しかし、看護師がいなければ、介護職が実施せざるを得ないのが実態だ。背景には、生活の場である特養でも医療的管理を必要とする人が増えていることがある。日本介護福祉士会の木村晴恵副会長は「特養で医療職の配置が十分なら問題はない。しかし、現実にはそうした態勢が整っておらず、実情を踏まえた対応が必要だ」と話す。

 厚労省は介護職の医療行為をまったく認めていないわけではない。03年、在宅療養のALS(筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症)患者に限り、家族以外によるたん吸引を「当面のやむをえない措置」として認める通知を出した。その後、ALS以外の在宅療養患者も容認した。

 04年には養護学校などで、児童・生徒のたん吸引、経管栄養など一部の医療行為を教員が行うことを認めた。いずれも家族の負担軽減や、看護師の配置が十分でない実情を踏まえた措置だ。また05年、血圧測定、軟膏(なんこう)の塗布、つめ切りなどを「医療行為でないと考えられる行為」として、介護職に認める通知をした。

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 八戸大の篠崎良勝准教授が実施した07年の調査では、厚労省の05年通知で認めていない医療行為を介護職が行っている実態が浮かぶ。在宅では褥瘡(じょくそう)(床ずれ)のガーゼ交換を28%が経験。介護施設ではたん吸引を30%、経管栄養処置を24%、インスリン注射を20%がそれぞれ行っていた。

 その一方で、医師や看護師などには介護職による医療行為に対し、慎重な声が根強い。検討会では「たんの吸引は窒息を起こす場合もある命にかかわる行為。医療行為ができる施設を増やすべきだ」「行為の安全性を考える必要がある」などの意見が出た。

 介護職にも戸惑いや不安がみられる。八戸大調査では、「技術も経験も未熟で行っている。利用者を傷つけないか心配」「介護職がどこまでできるかを利用者が理解しておらず、(医療行為を)強要される」などの声が寄せられた。

 篠崎准教授は「介護職は研修の義務化もないまま、業務を超えた仕事を担わされている。利用者、介護職の双方の安全のためにも、充実した研修制度が不可欠。現場の実情に合わせて医療行為・介護行為の範囲を定期的に見直せる検討会を国は設置すべきだ」と指摘する。

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 ■厚生労働省が05年通知で介護職に認めた行為

・検温

・自動測定器で血圧測定

・動脈血酸素量を測定するパルスオキシメーターの装着

・軽い切り傷、すり傷、やけどなどの処置

・軟膏の塗布(床ずれの処置を除く)

・湿布の張り付け

・目薬の点眼、鼻粘膜への薬の噴霧の介助

・薬の内服

・座薬挿入

・つめ切り

・歯ブラシや綿棒などを使った口の中の清掃

・耳あか除去

・人工肛門(こうもん)のパウチ(袋)にたまった排せつ物の廃棄

・排尿補助でのカテーテルの準備、体位の保持

・市販の器具を用いた浣腸(かんちょう)【出典:毎日新聞】

確かに安全性は担保されなければならないが、せめて家族に認められた医療行為については、介護職にも出来るようにしてほしい。また、研修や試験等などで、看護師レベルまでの医療行為も、段階的にできるように考えてほしい

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