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現場から記者リポート:就労継続支援A型作業所 受注激減、販売不振で悲鳴 /滋賀

◇最低賃金の支払いに苦慮、行政は優先発注を−−長浜のNPO法人「ウェル・エナジー」
 世界的な経済不況の影響で、障害者自立支援法で定める「就労継続支援A型」の障害者福祉事業所が悲鳴をあげている。受注激減や販売不振が急速に進んでいるためだ。A型事業所は障害者と利用契約とともに雇用契約を結ぶため、最低賃金を支払う必要がある。しかし、収益減で最低賃金の支払いにも苦しむA型作業所が県内にも多い。その一つで長浜市相撲町にあるNPO法人「ウェル・エナジー」を取り上げる。

 同法で、障害者が障害者福祉事業所と利用契約とともに雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型」が定められた。それまで障害者は事業所の「利用者」だったが、新しく「労働者」としてとらえる考え方で始まった制度。07年に障害者が働く場を作ろうと設立された「ウェル・エナジー」のA型事業所は自動車部品製造会社から自動車の座席の裏地縫製や部品製造ラインでの作業などを請け負ってきた。現在、18人の障害者が働いている。
 しかし、昨秋からの不況が自動車産業を直撃し、影響をもろに受けた。昨年11月から減りだした仕事は、12月には昨年9、10月の半分以下に、今年2月には、同約4分の1にまで減ったという。
 このため、12月からは赤字状態で、給与の捻(ねん)出が難しくなっている。しかし、雇用契約を結んでいるため、県の最低賃金(時給691円)を守ってきた。制度上、労働基準監督署に最低賃金の支払い適用除外を申請でき、県内の9カ所のA型事業所のうち最低賃金支払いができているのは6事業所のみだという。しかし、同法人の柴田尚常務理事(31)は「最低賃金を払わなければ、雇用とは言えない」と、経営が苦しくても払い続けている。ただ、「これまでの積み立てを切り崩しているのが現状で、経営が梅雨を越せるか不安」という。
 柴田常務は「もう少し景気に左右されない仕事を持つべきだった」と省みる。クッキー製造販売などをするA型事業所「がんばカンパニー」(大津市大萱5)の中崎ひとみ所長(44)は「障害者福祉事業所は当然、生産性が低い。一般企業と同じ市場原理で競うには無理がある。行政の仕事を優先発注するなどの支援が必要では」と提言する。
 今年に入り、「ウェル・エナジー」などいくつかの福祉団体が行政からの受注も開拓しようと、長浜市に定額給付金関連の事業発注を打診してきた。市は4月1日から定額給付金の申請書開封や受付印押印など2万通分を障害者福祉事業所に委託した。市総務課の中井正彦課長によると、これまでも仕事を発注したかったが、「何が発注でき、何が受注できるかを、市も事業所も互いに知らなかった。今回の発注(計画)をモデルケースにしたい」と話し、今後の可能性を示した。
 行政が障害者福祉事業所に仕事を発注する試みはこれまであまりなかったという。今回のように、事業所が受注できる作業を積極的に知らせ、行政はそれを受けて可能な仕事を優先発注するという仕組み作りが、A型事業所の安定経営につながるのではなかろうか。【出典:毎日新聞】

厳しい状況は、まだ続く。政策支援は期待できない。今後、どうなるのか、本当に不安だ

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