介護・医療・福祉の求人・転職サイト【介護求人ナビ】
ホーム > NEWS Selection > 障害者の工賃増を模索 自立支援法から3年 福岡県のモデル施設

障害者の工賃増を模索 自立支援法から3年 福岡県のモデル施設

■経営コンサルの派遣受け 福祉との両立が課題

 障害者自立支援法施行から間もなく3年。障害者が自立を強く迫られる一方、一般就労が難しい障害者に就労の機会を提供する場である授産施設(就労支援事業所)にも経営力を身につける新たな取り組みが始まっている。目指すは障害者に支払う工賃のアップ。模索を続ける現場を訪ねた。

 ▼プロと二人三脚

ランチタイムを迎え、障害者たちが慌ただしく立ち働くレストラン「そよかぜ」の調理場
ランチタイムを迎え、障害者たちが慌ただしく立ち働くレストラン「そよかぜ」の調理場
 サラダやそぼろ煮の小鉢が乗ったトレーがずらりと並ぶ脇を白衣姿の障害者約20人が忙しく立ち働く。福岡県大牟田市の障害者就労・自立支援センター「たんぽぽ」内にあるレストラン「そよかぜ」の調理場。この日のランチメニューはチキン南蛮定食と湯豆腐定食(各600円)。「いらっしゃいませ」。正午すぎ、客が入り始めると、調理場は慌ただしさを増した。

 同センターは同市で障害者入所施設「大牟田恵愛園」を運営する社会福祉法人が2007年1月に設立。その際、就労支援として施設内で行っていた弁当事業をセンターに移転するとともに、レストラン事業を新たに起こした。当時、利用者の平均工賃は月約2万3000円(05年度)。レストラン開店は悲願の工賃アップへの挑戦だった。

 だがスタッフにとってレストラン経営は未知の分野。「経営のプロの知恵を借りたい」。開店を控えた06年秋、恵愛園は授産施設関係者らでつくる「全国社会就労センター協議会」の「工賃水準ステップアップ事業」に参加。全国6カ所のモデル施設の1つとして、コンサルタントの派遣を受けることになった。白羽の矢が立ったのは中小企業診断協会福岡県支部の槇本健次支部長=福岡市。「福祉のプロ」と「経営のプロ」の2人三脚の格闘が始まった。目標は「工賃5万円」だ。

 ▼周辺の市場調査

 槇本支部長が手掛けたのは周辺のマーケティング調査。宣伝を兼ねてアンケート用紙2000枚を住宅や事業所に配り歩き、立地条件や住民の外食習慣などを探った。恵愛園の叶義文施設長は「私たちは市場調査という発想がなかった。まずそれに驚いた」と振り返る。

 レストランを地域住民との交流の場とも位置付ける園側は当初、「大勢の住民に来てほしい」との願いから1日の来客数が100人と見込み、30種類以上のメニューをそろえた客単価300?500円の「大衆食堂」を想定していた。だが槇本支部長はセンターが住宅地にあることなどから1日の来客数30?40人、客単価1500?2000円としてメニュー数も絞り込むことを提案した。

 さらに、弁当事業のてこ入れも提言。レストランと弁当のメニューの統合や、売れ残りを見越した仕入れなど一連の業務管理の徹底、より積極的な営業活動などを求めた。何より、職員や利用者一人一人が明確な目標を共有し、課題と役割を自覚するよう促した。

 試行錯誤の結果、07年度の利用者の平均工賃は約4万8000円に上った。

 ▼企業と同じでは

 過去に他の福祉施設の経営診断を行ったこともある槇本支部長は恵愛園の取り組みを「工賃アップへの職員や利用者の意識も強く、比較的スムーズに事業展開ができた」と話す。

 だがすべてが順調に進んでいるわけではない。レストランは結局、単価600円代で設定。立地条件の悪さなどもあり、1日の売り上げは3万円足らずで採算ラインの4万円には届いていない。弁当の販売増でしのいでいる状態だ。

 槇本支部長は福祉施設の収益事業経営の難しさを、(1)さまざまな障害程度や年齢の利用者が混在し、就労意欲もさまざま(2)職員に職業指導より生活支援の意識が強い(3)トップダウンの企業と違い、意思決定に時間がかかる?などの点を挙げる。実際、「工賃水準ステップアップ事業」の他のモデル施設では、「福祉」の立場から「工賃アップなど必要はない」と職員が強く反発し、激論が展開されたところもあるという。

 同事業の推進特別委員長を務めた朝日雅也・埼玉県立大教授(障害福祉)は「利用者の生活支援の必要性を『言い訳』にしてはならないが、生産性だけを求めるなら一般の企業と同じ。工賃アップを目的としながら、福祉サービスの質を高める『第3の道』を追及してほしい」と話した。

    ×      ×

 ●ワードBOX=就労支援事業
 障害者自立支援法施行により、従来の授産施設や福祉工場などは2011年度末までに新たな「就労継続支援事業」(雇用型、非雇用型)に移行する。このうち、雇用型は利用者に原則、最低賃金を補償することが必要。07年度の全国の施設の平均工賃月額は就労継続支援(雇用型)8万5000円▽同(非雇用型)1万3000円▽福祉工場12万8000円▽入所・通所授産1万3000円▽小規模通所授産9000円。
 国は都道府県に就労継続支援事業や授産施設の「工賃倍増5カ年計画」を策定するよう指示。九州各県でもモデル施設に経営コンサルタントを派遣するなどの取り組みが始まっている。【出典:西日本新聞】

確かにこれまでの福祉施設は、あまり経営的なことは問われなかった。働くことが生きがいと位置づけていたからだと思う。自立支援法以降、働くことが、どれだけ賃金を稼ぐかが、重要視された。それは大切なことではあるが、生きがいという意味では、なんだか寂しいものになってしまったように思う

Popularity: 7%

【関連記事】

 

《おすすめ☆はいくつですか?》適当な★数でクリックしてください

1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (No Ratings Yet)
Loading ... Loading ...

 




【老人ホーム・介護施設・資料請求】






  1. コメントはまだありません。
  1. トラックバックはまだありません。
+(reset)-
リンク用バナーAタイプ リンク用バナーBタイプ リンク用バナーCタイプ
+(reset)-