介護報酬:3%引き上げ答申 初のプラス改定…社会保障審
厚生労働相の諮問機関、社会保障審議会は26日、介護報酬を3%引き上げる09年度の介護報酬改定案を答申した。介護従事者の処遇改善、人材確保などが狙いで、負担の大きな業務や介護福祉士を多く配置する事業所に加算したほか地域別単価を見直した。介護従事者の月額賃金2万円アップを見込んだが、増額分が従事者の賃金に反映するとは限らないことから、効果に疑問の声も上がっている。
介護報酬は3年ごとに見直され、今回が3回目。03年度に2.3%、06年度に2.4%引き下げられ、プラス改定は00年度に介護保険制度がスタートして以来初めて。政府・与党が10月30日にまとめた追加経済対策で、介護報酬を3%引き上げるため、介護給付費を約2100億円増やすことを決めていた。処遇改善は(1)夜勤など負担の大きな業務のサービス単価の引き上げ(2)介護福祉士などの割合が高い施設を評価し、介護従事者定着の促進(3)地方格差を踏まえた人件費見直し??が三つの柱となる。
訪問介護は、短時間訪問の身体介護(30分未満)を1回2540円(1単位10円で計算、以下同)、生活援助(30分?1時間)を1回2290円にする。通所系サービスでは、機能訓練加算を手厚くした。また通所リハビリテーション(1時間以上2時間未満)を、1回2700円(要介護1)?3900円(要介護5)加算する。
わずかな上昇分で介護従事者の賃上げに導くため、さまざまなサービスなどに少しずつ加算した。厚労省は「ほとんどの事業所に何らかの評価(加算)がある」と強調するが、薄く広くばらまいた格好で、個々の事業所の収益改善にどの程度貢献するかは不明だ。そのうちどのぐらいが待遇改善にあてられるかは事業者のさじ加減に委ねられている。
また当初は、確実に処遇改善につなげるため改善状況の公表を検討した。だが最終的には、事業者や業界団体に自主公表を促し、厚労省は事後的に改善状況を検証することにとどまった。
◆介護報酬改定の主なポイント
<介護従事者の人材確保・処遇改善>
▽負担の大きな業務への評価
・訪問介護 例:サービス提供責任者の初回時の加算(新)2000円/月
・通所介護 例:常勤の理学療法士らを配置、機能訓練メニューを提供(新)420円/日
・居宅介護支援 例:認知症高齢者、独居高齢者のケアマネジメント(新)1500円/月
・介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設で夜間で基準を上回る職員配置に加算(新) 例:介護老人保健施設240円/日
▽介護従事者の専門性への評価・定着促進
・訪問系、通所系、施設・居住系で介護福祉士が一定以上いるなどの事業所に加算(新) 例:訪問入浴介護240円/回、通所介護120円/回、小規模多機能型居宅介護5000円/人・月
▽人件費の地域差への対応
・都市部への地域区分の見直し 例:東京23区の上乗せ率 12%→15%
<認知症ケアの推進>
・認知症対応型共同生活介護 例:退去時相談援助加算(新)4000円
・若年性認知症利用者受け入れ加算(新) 例:宿泊受け入れ1200円/日
※介護報酬は1単位10円で計算。(新)は新規
【ことば】介護報酬
介護保険制度で、介護サービスを提供する事業者に支払われる報酬。保険給付の対象となるサービスの価格で、1割は利用者が負担する。医療保険での診療報酬と同様に社会保障審議会の答申に基づいて決められる。【出典:毎日新聞】
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