11月 23 2008
現場不満 介護報酬上げても給与は増えない!?
□中小業者や非正規職「3%では末端まで回らぬ」
介護の現場では、きつい仕事のわりには報酬が低いことなどを理由に介護職を離れる人が多く、人手不足による「介護保険制度崩壊」の危険性さえ指摘されている。10月末に政府・与党がまとめた追加経済対策には、こうした介護職員の賃金増加などを目的として、介護保険制度発足の平成12年以来、一貫して低く抑制されてきた介護報酬(介護サービスの公定価格)を来年4月から総枠で3%アップすることが盛り込まれた。ところが、このアップ分が介護職員の待遇改善につながらないという懸念が高まっている。
■保険料値上げは抑制介護報酬の改定は3年に1度行われる。これまでは、介護の総費用を抑えるという目標を掲げ、平成15年度は2・3%、18年度は2・4%と、いずれも引き下げられた。この結果、介護職員の給与も抑えられ、介護現場では離職が進行。介護職の人手不足は介護崩壊を引き起こしかねず、待遇改善が緊急課題となっていた。
政府・与党は今回の改定で、従来の引き下げ路線を転換し、3%アップ方針を決定。これにより、介護職員の賃金は平均月2万円増え、現在約120万人の介護職員が10万人程度増えると見込む。
だが、介護報酬を3%上げると、介護給付費も年約2300億円(サービス利用料の自己負担分を含む)増加する。これに伴い、保険料もアップすることになる。1人あたりに換算すると月120〜130円のアップだが、もともと来年度から、高齢者の増加による自然増だけで200円弱の値上げが見込まれており、両方合わせた上げ幅は月300円程度になる。
現行の65歳以上の平均保険料は月4090円で、制度発足当初の月2911円の4割増。政府・与党は「保険料がさらに急増すれば世論の反発は避けられない」と判断。追加経済対策では、激変緩和策として、20年度の第2次補正予算で1200億円の基金を創設し、原則として、21年度は介護報酬のプラス改定に伴う保険料値上げ分の全額を、22年度は半額を補填(ほてん)することも決めた。
だが、こんなに苦労して引き上げた介護報酬が介護の現場に行き渡らないとしたら…。
■待遇改善は可能?
介護報酬の引き上げ分を介護職員の賃金に反映させるための具体策については、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護給付費分科会で検討が進められている。厚労省は「介護報酬のプラス改定によって、介護事業者が一律に収入増となるわけではない」として、報酬引き上げ分は事業者の規模や地域性などを考慮しメリハリを付けて配分する考えだ。
舛添要一厚労相は14日の衆院厚労委で「手厚い人員配置を行う事業者や雇用管理を改善する事業者に(介護報酬を)手厚くする。さまざまな経営モデルも提示する」と説明。厚労省は月内に具体案を示す方針だ。
介護福祉士などの有資格者を多く採用したり、夜勤体制を充実させたりした事業者に加算するほか、事業者が増収分を介護職員の賃金増に回しているかをチェックするため、事業者に給与水準の公開を求めることなどが検討されている。
ただ、介護団体の関係者からは「介護報酬を3%引き上げただけでは、中小事業者や非正規職員まで行き渡らない」との批判が続出。14日の分科会では、3%の引き上げ幅の算出根拠を問う声も上がった。
また、介護報酬改定をめぐっては、職員待遇改善だけでなく、認知症対策なども大きな課題だ。分科会は年内に、改定の基本方針を取りまとめる方針だが、課題は山積している。【出典:産経新聞】
政治は何も堪えてくれないのだろうか
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