9 月 13 2008
病院の身体拘束「不必要で違法」 名古屋高裁、賠償命令
愛知県一宮市内の病院に入院していた女性(当時80)が、不必要に体を拘束されて苦痛を受けたとして、病院を相手取り600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が5日、名古屋高裁であった。西島幸夫裁判長は、拘束は正当だったとした一審・名古屋地裁一宮支部判決を変更。病院側に70万円の支払いを命じ、原告側逆転勝訴判決を言い渡した。
訴えていたのは、岐阜県大垣市の故・吉田貞子さん=訴訟は遺族が承継。判決によると、強い腰痛などのため「一宮西病院」に入院していた吉田さんは03年11月16日深夜、必要もないのに看護師にミトン(抑制具)を使って拘束された。ミトンを外そうとして抵抗した際に傷を負った。
判決はまず、旧厚生省令で明確な禁止規定がある介護施設だけではなく、医療機関であっても「同意を得ずに患者を拘束してその身体的自由を奪うことは原則として違法だ」と指摘。そのうえで、(1)患者への危険が迫っている切迫性(2)ほかに手段がない非代替性(3)長く継続しない一時性の3要件に照らして判断すべきだと述べた。
この結果、吉田さんについては「ミトンによる抑制を行わなければ転倒、転落による重大な傷害を負う危険性は認められない」と認定した。当日の患者数についても、一審段階では、看護師3人に対して患者数は41人とされていたが、新たな証拠調べの結果、27人で重症患者もいなかったと認定。「看護師がしばらく付き添って落ち着かせることができた」と指摘し、今回のケースについては「切迫性や非代替性があると認められず、違法だ」と結論づけた。
吉田さんは何度も看護師を呼ぶナースコールを押し、おむつの交換を要求したり、車いすで移動しようとしたりした。病院側は、吉田さんがせん妄(意識混濁)状態で転落の恐れがあり拘束が必要だったと主張。06年9月の一審判決は、病院側のこうした主張を認め、拘束は緊急避難のためで正当だったとして請求を棄却していた。 【出典:朝日新聞】
拘束か、そうでないか。ぎりぎりのところで日常がすぎている。日常化といってもいいが、人手不足だけが原因とは限らない
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