7 月 14 2008
eye:職能生かせず、フィリピン人介護士、寂しい帰国
◇「チャンスあれば必ず来日します」
「大学を卒業してフィリピンで働こうとしても高い給料はもらえません。チャンスがあれば外国で働こうと思っていました」
東京都郊外にある介護老人保健施設「菜の花」の2階。フィリピン人介護士のオリビアさん(31)は、入所者が生活する部屋をひと部屋ずつ掃除していた。午前は新宿にある日本語学校で授業を受け、午後は電車と自転車を乗り継いで、約1時間半離れたこの施設でシーツ交換や床の掃除、入所者への食事の配膳(はいぜん)などを行う。実は、直接介護には携わっていないのだ。
介護福祉士の勉強をするために来日したオリビアさんがなぜ直接介護できないのか。同施設の難波眞施設長(58)に聞くと「今のところはまだ、外国人の彼女たちに直接介護はさせられない。入所者とのコミュニケーションは言葉が重要。片言の日本語では信頼関係を築くのは難しい」と説明した。同施設の入所者の平均年齢は83歳。認知症患者も多く「会話」から体調に関する情報を得ることも多いという。
オリビアさんは、日本が今後、本格的に外国人看護師や介護福祉士を受け入れる前段階として国内数カ所の介護支援施設に受け入れられたフィリピン人15人のうちの一人。06年4月に来日した。全員がフィリピン政府公認の介護資格を持っている。
「大学を卒業してから2年、フィリピンで介護士として働いていた。その経験を日本でも生かしたいけど、日本語は本当に難しいです」と少し寂しそうに話す。結局、その経験は生かされることはなかった。
今春、2年の就学ビザの期限が切れ、彼女はフィリピンに帰国した。「チャンスがあれば必ずまた来ますね」と言い残して。
◇月内にも第1陣が来日予定
5月、参院本会議で自民、民主など各党は賛成多数でインドネシア人看護師・介護福祉士を今後2年間で1000人受け入れる経済連携協定(EPA)を承認。7月中にもインドネシアから第1陣が来日予定だ。
しかし、すぐに施設で働けるわけではない。受け入れを希望する施設で研修しながら来日後、看護師は3年、介護福祉士は4年以内に日本語の国家試験に合格し、国家資格を取得しなければならない。不合格なら「帰国」という高いハードルだ。
社会福祉振興・試験センターによると、07年度の介護福祉士国家試験の合格率は51.3%。日本人でも2人に1人の狭き門だ。外国人が、しかも施設で研修しながらこの国家試験を突破するというのは可能なことなのだろうか。
外国人労働者を受け入れる一方で、日本人の介護現場での離職率は年間約20%。「低賃金」「重労働」「忙しい」などが主な理由だ。この厳しい労働現場に、7月下旬、オリビアさんのような若者たちがやってくる。【出典:毎日新聞】
介護現場のマンパワー不足として、外国人を受け入れる。解らなくもないが、それでは何も解決しない。それどころか、受け入れた外国の人たちに責任を持つ義務を負った。とても重い義務だ。ただ単なる使い捨ての労働力ではないはず。どこよりも人を大切にする職域だと信じている
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