7 月 07 2008
守ろう子どもたち:学童保育は今/1 追いつかぬ受け皿 /埼玉
「少子化」は国の将来を危うくする問題です。国や自治体は次々と子育て支援策を打ち出すが、子供にやさしいとはいえない問題が山積しています。そんな問題を報告し解決への道筋を探っていきます。初めに、殺到する子供たちで満杯となっている「学童保育」の現場です。
◇定員の3倍も、過密「もう限界」
「痛いっ。足踏むなよ」「お前らどけよ」
11畳分の部屋に50人を超える子供がいる。午後4時からのおやつの時間は、まさに修羅場だ。体をぶつけ合い、誰かの足につまずいては言い合いになる。おやつが全員に行き渡っても部屋に入りきれず、縁側まであふれ出す。それでもスペースが足りず、4月からは軒先にテントを張ってしのいでいる。
さいたま市見沼区蓮沼の学童保育所「蓮沼つばさ」。父母会が菅原神社の社務所(木造平屋36平方メートル)を借りて運営する。建物の面積から算出すると定員は18人。そこに小学校1〜6年生の児童53人(4月現在)が在籍する。厚生労働省は07年10月のガイドラインで、子供1人当たり1・65平方メートル(1畳分)以上のスペース確保が望ましいとしたが、ここは0・7平方メートルしかない。
普段は境内で遊ぶ児童が多いが、「おやつの時や雨の日は室内に集中し、体がぶつかって口げんかになる。具合が悪い子を休ませる場所がなく、熱のある子が縁側で寝ていたこともある」と指導員の秋山賢太朗さん(33)。父母会の佐藤エミ会長(39)も「学童保育は子供が家庭のように過ごす所で、飼育場所じゃない。もう少しスペースがほしい」と心配そうだ。
さいたま市には4月現在、公設72カ所(在籍児童計3475人)、保護者会などが運営する民間74カ所(同2928人)の学童保育所がある。小学校の1・44倍あり、全国でも高水準の設置数だ。しかし、マンション開発による人口増や共働き家庭の増加で利用希望者が伸び続け、受け皿が追いつかない。
市は解決策として、民間施設を増やそうとしている。06年度に補助金を大幅に増やし、月1万8000円だった家賃補助も最高15万円にした。同時に保育環境を整備するため、子供1人当たり1・65平方メートルの確保を今年度までに達成するよう求め、実現できなければ補助の増額分をストップする。民間は今年4月までに21カ所増えたものの、約30%が達成できていない。
蓮沼地区の学童保育所は、かつて一戸建ての民家を借りていた。老朽化や近所から「うるさい」と苦情も寄せられ、現在の社務所に移った。その後子供が増え、01年に二つに分かれた。
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同じような状態の学童保育所は少なくない。
西区中釘の「指扇北のびのびクラブ」には71人が在籍する。4月現在で建物の1人当たり面積は1・0平方メートル。5月に6畳分増築したが、おやつの時間はすし詰めだ。「歩くすき間もなく、テーブルの上を歩きだす子さえいる」と指導員が語る。「ぶつかって転び、頭を打った」と子供たち。4年の村井遥ちゃん(9)は「部屋の中が混乱している。人が多すぎて頭がいたくなる」と訴える。
ここも分離を目指したが、近辺は市街化調整区域のため新しい建物が建てられず、2年がかりで借家を探したが見つからなかった。昨年署名を集め市に要望し、2年後に公設が建つことになった。「でも、2年間この状態を続けるんでしょうか。子供たちは毎年増えていてもう限界」と指導員の前野清美さん(42)は嘆く。【出典:毎日新聞】
少子化対策として、医療費無料化もいいが、それよりも、学童保育のようなハードやソフトの方が大切だと思うのだが。。。
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