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明日の私:どこで死にますか 第3部・介護施設 反響特集

特別養護老人ホームなど介護施設での看取(みと)りについて、今年2、3月、「明日の私 どこで死にますか」で取り上げたところ、全国からさまざまなお便り、メールが寄せられました。一部を紹介します。

◇「余裕ない」悩む現場 医療機関と連携、成果上げるホームも

 ■深刻な人員不足

 連載では「終(つい)のすみか」としての性格が色濃い特養や、生活の場となっているグループホーム、急増する有料老人ホームなどの取り組み、課題を紹介した。

 これに対し、川崎市内の特養で管理職を務める女性(48)から、慢性的な人員不足や現場のゆとりのなさからくるケアの質の低下など、「理想と現実のギャップ」を訴えるメールが届いた。

 「看取りを希望する方が増え、それに応えたいという思いはあっても、どこの特養でもできることではありません。特養の現場には課題が山積しています」

 女性は介護職になり立てのころに特養に勤務。在宅介護支援の仕事を長く続けた後、昨年、特養の現場に戻り、入居者の重度化が進む一方、支える人材が育っていない現状にがく然としたという。

 「看取りをするには観察力や医療的知識も必要で、ケアのレベルを上げなくてはいけない。でも職員は定着せず、いくら募集をかけても集まらず、食事や入浴など日々の仕事をこなすだけで精いっぱい。レベルアップのための研修を受ける余裕も意識も育たない」

 医師が常駐しない施設内での看取りには、看護職の支えが欠かせない。経管栄養など、医療的ケアが必要な人も多い。だが、必要な数だけ看護師を雇うのも困難と訴える。

 この特養は、死亡などで年間10人程度退去するが、毎月20人ほどの入居申し込みがある。老人保健施設や療養型病床などを転々とし、やっとたどり着く待機者も多い。女性は「できるなら最期までみたい。職員も一生懸命働いているが、入居者に十分なケアができていない状態では看取りは無理」と結んだ。

 ■支援で安心、自信

 福岡市内で訪問看護ステーションを開設している看護師の平野頼子さん(57)は、医療連携によりグループホームでの看取りを後押ししている取り組みを知らせてくれた。

 「ホームのスタッフは、自分が夜勤の時、何かあったらどうしようという不安感が強く最初は消極的だった。それが、24時間、訪問看護ステーションと連絡がつくことや、終末期ケアの指導、支援を受けられることで、安心、自信につながり、看取りをするのが当たり前になった。家族からも感謝された」

 5月にも2人を看取り、スタッフの達成感も大きかったという。

 ■手厚いケアで回復

 神奈川県綾瀬市の関慶久さん(71)は2年ほど前、特養に入っていた母親(95)が急性肺炎で入院。だが「回復の見込みがない」と退院を促され、途方にくれた。

 ただ、戻った特養は開所以来初めての看取り介護を受け入れ、介護士、看護師、管理栄養士、医師らがきめ細かい介護を4カ月も続けてくれた。その後、奇跡的に危機状態を脱出し、現在は元気に過ごしている。

 関さんは「母は医療からは見放されたが、施設職員に支えられ、穏やかな毎日を過ごしている。職員は皆まじめで、好感がもてる。介護士の育成が難しい実情に行政が手を打つべきだ」と指摘した。
 ◇尊厳死…揺れる家族「迷いないのか」

 連載では、施設で看取る際、本人や家族が納得し、トラブルなく最期を迎えるために、終末期ケアの意向確認が欠かせない、と指摘した。

 これに関して、実際に緊急事態に直面した際に、本人の意思があっても、揺れる家族の思いを伝えるお便りもあった。

 東京都足立区の荒川雪江さん(49)が夫を心停止で亡くしたのは今年1月。病院でのショートステイ中の突然の出来事だった。

 夫は筋肉の持病があった。荒川さんは「意識がもどってくれたらとの期待を込め」、脳死のような状態の夫の延命を医師に依頼した。だが意識は戻らず、そのまま帰らぬ人となった。

 「事前に意思を明らかにすることはいいことだと思います。でも、自分の家族が倒れて意識不明になったら、どうするのでしょうか。『延命しないでくれ』と生前に(本人から)聞いていたとしても、温かい体、動いている心臓を見た時、迷いはないのでしょうか」

 荒川さんの問いかけは重い。【出典:毎日新聞】

生きる権利と死ぬ権利。車の両輪のように大切な権利。真剣に考えたい

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