6 月 18 2008
地デジ受信機支給へ 生活保護107万世帯に
総務省は、11年7月24日までにすべてデジタル化される地上波テレビ放送を視聴するための専用チューナーなどの受信機器を、経済的に購入が厳しい生活保護世帯に現物支給する方針を固めた。全国で約107万世帯が対象で、1台5千円の簡易チューナーが開発された場合でも、支給額は50億円を上回る。
地デジ対策を検討する総務省の委員会が10日、支援策についてほぼ合意に達した。関係者によると、会合では生活保護の受給基準には当てはまらないが、経済的に厳しい世帯への普及対策も必要だとする意見が相次いだ。現物支給の対象はさらに広がる可能性がある。早ければ来年度にも実施する見通しだ。
対応テレビへの買い替えなど地デジは視聴者の自己負担が原則だが、経済的な事情で対応機器の購入がままならず、視聴できない世帯が生じる可能性がある。テレビ放送は生活に必要な情報を提供しており、地デジへの完全移行までに必要な対策を講じなければ、日常生活に支障を来す恐れもあった。このため、総務省の委員会で金銭的な支援策を検討してきた。
委員会では(1)支援対象は、経済的な困窮度の高い人に限定する(2)アナログ放送を受信している人が11年度以降も地デジを視聴できるための措置に限る——ことを原則として議論してきた。
具体的には生活保護世帯や、NHK受信料の全額免除世帯(約140万件)、高齢者のみの世帯(約840万世帯)、障害者世帯(約600万世帯)を支援対象として検討。まず生活保護世帯に支援策を打ち出すことにした。
支給方法については、現金、現物、クーポン券の3種類を検討したが、現金配布は「過去に例がなく、本来の目的と違った用途に使われるおそれがある」との意見が大勢を占め、「最もシンプルで合理的な支援策」(委員)である現物支給でまとまった。アナログ放送用のテレビも専用チューナーを取り付ければ、地デジ放送が視聴できる。
総務省は5千円程度という低価格チューナーの開発を電機メーカーに求めている。現在、量販店で主流の2万円程度のチューナーが支給される場合は、支援総額は214億円となる。
地デジについての低所得者対策は、27日に開かれる情報通信審議会(総務相の諮問機関)で第5次中間答申として提出される。その後、総務省が8月末までに細部を詰めて、来年度予算の概算要求に盛り込む。
07年度末の地デジ受信機の世帯普及率は43.7%。増田総務相は今後3年間で、低所得者対策や高層ビルの陰で生じる難視聴施設の改修費など2千億円規模の対策が必要になるとしている。 【出典:朝日新聞】
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