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6 月 11 2008

改正道交法:施行 聞こえなくても大丈夫 ミラー活用と慎重な運転で

Published by webmaster at 20:46:07 under NEWS Selection

改正道路交通法が1日施行され、全く耳が聞こえない人でも幅広のルームミラーの装着などで「安全運転が可能」として、普通自動車免許を取得できるようになった(<上>は運転時に表示が義務づけられた聴覚障害者マーク)。

◇車種、まだ制限も
 これまで普通車免許を取るには、補聴器をつけて10メートル離れた車のクラクション程度(90デシベル)の音が聞こえる聴力が必要だった。
 02~03年度の警察庁の調べによると、普通車免許について、主要国を含む14カ国のうち、聴力で制限していたのは日本、イタリア、スペインのみ。
 今回の改正でようやく少数派を脱したが、制限の撤廃を求めてきた「障害者欠格条項をなくす会」の臼井久実子事務局長は「各国の状況を見れば、日本でももっと早くに実現できるはずだった」と遅すぎた国の対応にいら立ちを隠さない。
 警察庁によると、補聴器付きの免許取得者は約3万8000人(06年度)。千葉聴覚障害者センター職員の清本眞二さん(52)もその一人だ。今年で運転歴32年、5年以上無事故無違反のゴールド免許を持つ清本さんは「全く耳が聞こえない人でも私たちの運転と何も変わりない」と言う。
 補聴器をつければ大きい音は聞こえるが、音の区別はつかない。そのため実際にはほとんど音は頼りにせず、ルームミラーやサイドミラーへの丁寧な目視で十分に状況は把握できるという。
 救急車やパトカーなどが近づいたときも、「ミラーで赤色灯を確認したり、他の車両の動きで気付く方が早いし確実」と話す。
 警察庁の「安全運転と聴覚との関係に関する調査研究」によると、専門家の研究で、そもそも視覚だけで運転に必要な情報の9割は得られるとされる。
 同庁は05年度、音が聞こえないと運転上危険な場面として、車線変更や見通しの悪い交差点での緊急車両との遭遇などを想定し、聴覚障害者の協力を得て実験した。この結果、「ルームミラーの活用と慎重な運転で音を知覚できない点を補い、健聴者と同水準の安全運転ができる」と結論。通常のルームミラーより幅広のワイドミラーの装着と、車の前後部に聴覚障害者マークの表示を義務づける形で、聴覚障害者に免許取得の道を開いた。
 ただし、施行規則で商用ライトバンなど、いわゆる「4ナンバー」の車を除き、「専ら人を運搬する構造の普通自動車」に限定した。警察庁運転免許課は「荷物を積むことを前提にした車なので、ルームミラーが見えなくなる可能性があるため」と説明する。
 全日本ろうあ連盟、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、障害者欠格条項をなくす会の3団体は5月15日、「就労をはじめ、聴覚障害者の社会活動を著しく制限するもの」として制限の撤回を求める要望書を出した。全日本ろうあ連盟の久松三二(みつじ)・本部事務所長は「危険な積み方を避ければいいだけなのに、一律に除外するのはおかしい」と語り、車種の拡大を求めている。
 18歳以上で全く耳の聞こえない人(06年度)は約10万人とみられる。今後、免許取得を望む人は相次ぎそうだが、全国の自動車教習所のうち、警察庁に対し、聴覚障害者の受け入れ態勢を整備する意向を示したのは現時点で約7割にとどまる。
 障害者問題に詳しい法政大学現代福祉学部の松井亮輔教授は「障害者が対等な立場で社会参加するためのサポート態勢作りが求められている」と指摘する。聴覚障害ドライバーが拡大するかどうかは、社会の受け入れ方にかかっている。【出典:毎日新聞】

制限はあるものの一歩前進。科学技術が発達すれば、もっと免許が取れる障害者が増える。いつでも、いきたいところへ行けることは、人権にも等しい

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