6 月 06 2008
物価高が介護保険施設の経営圧迫 食費値上げの動きも
食品や原油価格の高騰が、県内の特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの経営を圧迫している。介護報酬引き下げに伴う収入減に追い打ちをかける格好。施設によっては、経費節減も限界として利用者の食費値上げに踏み切る動きが出てきた。
飯田市の特別養護老人ホームは、デイサービスと合わせた利益が昨年度、2000年のオープン以来初めてマイナスに転じた。食材費が前年度より300万円増の約2450万円、送迎車などのガソリン代も約30万円増の175万円など、このところの物価高が響いた。
この特養の保険収入は、介護報酬の段階的な引き下げで、02年度に2億800万円あったのが、昨年度は1億9200万円と、1600万円減った。一方で、割高な流動食に頼る重度の利用者が増え、施設側が割り増し分を負担する例も増えているという。平均85歳の利用者54人の9割は低所得の住民税非課税世帯。1日1380円を超える食費は補助対象外だからだ。
電気、水道の節約や直接仕入れによる食材費の軽減にも取り組んできたが、「すでに限界」と施設長(54)。さりとて低所得世帯がほとんどでは食費を上げても施設負担が増えるだけ。「介護報酬が上がらないと経営は行き詰まる」と危機感を強める。
上田市の特別養護老人ホームは昨年度の決算は辛うじて黒字。だが、昨年末ごろから食材や燃料代が増えたため、4月からデイサービスの昼食代を50円上げ、栄養補助食品は新たに利用者負担とした。やはり平均84歳の利用者約50人のほとんどが住民税非課税世帯で、「物価高は今後ジャブのように効いてくるだろう」と、施設長(49)は言う。
長野市のある介護老人保健施設はこの4月から、1日1600円の食費を100円値上げした。今年1月、食事を作っている食品会社(東京)の担当者から「原材料の購入費や運搬コストが増えた」と、食費値上げの申し入れがあった。
介護報酬引き下げの影響で、06年6月決算は初の赤字に。このため同年、居住費を1日当たり320円から600円に値上げし、管理職の人件費や職員のボーナスをカットした。「だが、人手不足でこれ以上人件費も削れない。値上げはやむを得ない」(事務長)とする。
NPO法人「県高齢者福祉協会」(長野市)によると、ぎりぎりの経営を強いられる特養は確実に増えているという。全国老人保健施設協会(東京)も現在、介護報酬引き上げの国への要望を念頭に、全国の施設の07年度決算状況を調査中だ。
6月から食費を百円上げる松本市の介護老人保健施設の事務長(64)は、食材購入費が1食あたり約30円増えたといい、「介護報酬が今のままで物価が上がり続け、人件費を下げるようなことをすればどうなるか。最後にしわ寄せがいくのはお年寄りだ」と憂えた。【出典:信濃毎日新聞】
なんとか緊急避難的な公的支援ができないものか
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