5 月 30 2008
カネミ油症、新認定患者が提訴「救済の突破口に」
国内最大の食品公害とされるカネミ油症事件で、認定基準が見直された04年以降に認定された患者ら26人が23日、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)や加藤大明社長らを相手に、1人当たり1100万円(総額2億8600万円)の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こした。カネミ油症をめぐる一連の訴訟は89年に終結しており、その後の集団提訴は初めて。事件発生から今年で40年を迎える中、原告団は「この訴訟を突破口に、被害者全体の救済につなげたい」としている。
原告は40代から80代までの男女で、長崎県在住者が18人と最も多く、広島県と愛知県が各2人、福岡県、神奈川県、千葉県、栃木県が各1人。出身地は長崎県五島市に18人が集中する。同市などでは発生当時、子どもだった被害者が、油症に認定されることで差別を受けるのを恐れ、申請が遅れた面がある。猛毒のダイオキシン類、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の血中濃度が認定基準に加わった04年以降に認定された患者が24人、それ以前の認定が2人。
訴状によると、カネミ倉庫は68年、米ぬか油の製造工程で脱臭装置のステンレス管の腐食により、加熱されたポリ塩化ビフェニール(PCB)を食用油に混入させたと指摘。「食品製造業者として注意義務を怠った」とし、「原告らが被った経済的、肉体的、精神的損害は甚大」と主張している。
カネミ油症事件では、69年からカネミ倉庫、PCBを製造したカネカ(旧鐘淵化学工業)、国などを相手に損害賠償を求める7件の集団訴訟が起こされた。カネミ倉庫の責任は一貫して認められたが、国とカネカについては裁判所の判断が分かれ、87年に最高裁でカネカとの和解が成立したのを機に、89年までにすべての訴訟が終結した。
カネカは原告に和解金1人当たり300万円を支払ったが、カネミ倉庫は経営難を理由に同500万円の支払いを凍結している。今回の請求額は、この800万円に認定前に患者が自己負担した医療費を加えた額という。
カネミ倉庫だけを被告としたことについて、弁護団(6人)の保田(やすだ)行雄弁護士は「カネカの責任は認めないという前提で和解が成立した経過などを考慮し、裁判の長期化を避けるため」と説明。新認定患者は45人以上はいるといい、最終的な原告は40人程度に増える見込みという。 【出典:朝日新聞】
一刻も早い解決を望みたい
Popularity: 8%
【関連記事】
《投稿記事ランキング》適当な★数でクリックしてください
《ソーシャルブックマーク》それぞれのアイコンをクリックしてください










