5 月 20 2008

はざまの中で:障害児施設の現場から/5止 命の瀬戸際まで置き去り

Published by webmaster at 21:26:25 under NEWS Selection

浩君=仮名=は14歳で逝った。八幡(やわた)学園(千葉県市川市)を退所して5カ月後の昨年9月。重い心臓病の「拡張型心筋症」を患った末、最期は心不全だった。
 06年10月に障害者自立支援法が本格施行され、浩君は「契約」になった。2カ月後、浩君は頻繁に発熱し、せき込むようになった。原因が分からず、医院を転々とするうち、顔にむくみが出始めた。翌年2月、総合病院でやっと病名が分かり、即日入院となった。

 浩君が昨年3月、退院し学園に戻る際、主治医は「突然死の可能性がある」と説明した。学園の職員は「このままでは命が危ない」と、浩君を担当する東京都の児童相談所に施設の移行を要請した。ところが、都の児童福祉司は逆に「(公費負担の)『措置』にすれば今後も学園に置いてくれますか」と打診してきた。
 01年に8歳で入所した時、浩君の背中には虐待を疑わせる複数のあざがあった。母親が園を訪ねることもほとんどなく、学園は「契約になじむ子とは思えない」と、当初から都の対応に疑問を抱いていた。
 学園の再三の訴えで浩君はほどなくして常勤医がいる都立の施設に移り、措置になった。都福祉保健局は「本人が病気で緊急事態だったため、措置に変えた」と説明するが、久保寺玲(あきら)園長は「子どもが生きるか死ぬかの状況にならないと措置にしないのか」と憤る。
 学園は今年12月、創立80周年を迎える。「踏むな、育てよ、水そそげ」。創設者で園長の祖父保久(やすひさ)氏(故人)の遺訓だ。ハンディがある子も大切に育て、山下清のように才能を花開かせたいとの思いが込められている。
 だが今、学園で暮らす68人の子どもの7割近くは契約だ。措置制度に基づいて、すべての児童の生活を平等に保障する「児童福祉法」から、障害児だけが置き去りにされようとしている。=おわり【出典:毎日新聞】

自立支援法の名の下に障害者、障害児を排除し、後期高齢者という名の下に高齢者を排除する。この国の社会は、これでいいだろうか

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