3 月 25 2008
住民が運転手 神戸・北区で県内初「過疎地有償運送」
特定非営利活動法人(NPO法人)などが、コミュニティーバスなどを有料で走らせ、交通の空白地域を埋める「過疎地有償運送」。高齢化率が30%に達する神戸市北区淡河町で、地元の障害者施設の家族らでつくるNPO法人「上野丘さつき家族会」が「高齢者の新たな足に」と運行主体に手を挙げた。2006年10月の改正法施行以来、全国で導入が進むが、県内ではまだ例がない。08年度の実現に向け、話し合いが大詰めを迎えている。
過疎地有償運送は、国交省の法改正で、NPO法人など非営利団体が運営し、既存の交通機関が十分でない過疎地で有料の交通機関を走らせる運送法。全国では既に三十二団体が導入しており、関西では大阪府能勢町などで実施している。
県内では、自治体を運営主体とするバスが四十五地域で走るほか、丹波市市島町の「ふれあいバス」のように、住民が無料で運営するバスもある。住民団体が有料で運営するには、市や県、既存交通機関と話し合う「地域公共交通会議」での審議を経て、運営協議会での話し合いが必要だ。県は、長期的に運行できるこの運送方法を後押ししようと、住民主体の有料バスの補助金として、〇八年度予算に五百万円を計上し、設置費用を補助する予定だ。
淡河町の人口は約三千三百人。高い高齢化率に加え、世帯数の約一割に当たる七十七世帯は独り暮らしの高齢者。市バスは通っておらず、神姫バス(姫路市)が市の補助を受けて運行している。同法人の相良幸信理事長(58)は「車を持たない高齢者が、バス停まで歩くのに一時間かかるケースもある。今後、高齢化がさらに進むと、家にこもりきりの高齢者が増える。新しい交通機関を今、発足させることが必要」と二年前から準備を進めた。
同町内の介護老人ホームなど五カ所で、入居者らの送迎用に使うマイクロバスを利用する計画だ。送迎する朝夕以外、約二十台が、施設の駐車場に置かれたままになっている。二種免許を持つ住民が運転手となり、町内に数カ所設けた集会所から、最寄りの神姫バス停留所までを一日約三回有料で周回する。「ふれあい喫茶」など地域の催しの際も、送迎用の運行を検討している。
実現に向け、昨年九月に第一回の交通会議を開催。調整を重ねた上で、第二回会議が今月十四日に開かれ、NPO法人の案が初めて合意を得た。具体的な運賃などを定める運営協議会を経て、〇八年度の実現を目指す。
県立福祉のまちづくり工学研究所の北川博巳主任研究員(41)は「過疎地でのバス撤退などが全国で相次ぐ中、車に乗る人と乗らない人の(交通の)格差が広がっている。実現すれば、格差を埋める例として県内の先駆けになる」と話している。【出典:神戸新聞】
全国のモデルケースにもなる。注目したい
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