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<介護ベッド>進むハイテク 遅れる普及(その2)

◇フル装備12万4000円
 ベッドメーカー大手のフランスベッドでは2004年から「危険予防装置付き電動介護ベッド」を売り出している。体がマットレスから離れるとセンサーが感知しライトが付いたり介護者に通報する「離床・着床検出」、ベッドの上に立ち上がると同様の反応をする「立ち上がり検出」、ベッドの背上げ時に体の一部が手すりなどに挟まるとセンサーが感知し自動的に背下げする「挟まり検出」の3種類の装置がある。認知症などの患者が装置をいじり誤作動させないための安全スイッチもついている。

 この3種すべてを取り付けると装置代は計12万4000円に上り、同社は初年度の売り上げ目標を10億円と立てていた。ところが実際は2500万円にとどまり、その後も売り上げは伸びていないという。同社は「いい商品だったので意気込んで発表したが、現実は厳しい。在宅の人は生活費や介護者への人件費にお金がかかり、安全策にまで費用をなかなか割けない。病院や介護施設もコストをできるだけ削っている時代だからなかなか導入するに至らないようだ」と分析している。
 実際、総務省の調査からつましい高齢者の家計が見えてくる。06年の高齢者世帯(世帯主が65歳以上)の1カ月平均の消費支出は21万4521円で総世帯全体約より約4万4000円少ない。高齢無職世帯となると消費支出は20万1238円、可処分所得は16万5971円で、不足分3万5268円は預金の切り崩しなどで賄っている。5年前と比べ消費支出はそれほど減っていないのに可処分所得は漸減し、家計が苦しくなっていることが分かる。パラマウントなど各社も介護用電動ベッドを販売しているが、数十万円する商品も少なくなく、気軽に買えるものでないことは確かだ。

◇規格は整備されつつあるが…
 介護用電動ベッドの品質については日本工業規格(JIS)で製品の大きさや耐久性、安全性などの標準が定められている。ただし介護用電動ベッドのJIS規格は05年にできたため、それ以前の製品の保障はできない。またJISに適合しない製品の流通が禁じられているわけではないため、現実的には粗悪品が売られていないわけではない。
 それでも同年の改正工業標準化法により、製造者や輸入業者が自己検査で規格適合を申請できなくなり、国に登録された第三者機関が製品や製造工程などのチェックをする「国際標準に合わせたより厳正な認証体制」(経済産業省)になった。
 しかしJIS規格に適合している製品であっても、病状や体の機能によっては本来の正しい操作ができるとは限らず、誤作動を引き起こす可能性を否定できない。日本福祉用具評価センターの鈴木寿郎センター長は「JISの認証体制自体はよくなったが、JISマークがなくても流通できる。結局は家族やヘルパーさんが製品についての知識を持つことが大切だ」と話している。【出典:毎日新聞】

福祉機器、介護用品だけの規格はできないものか

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