2 月 27 2008
年金前借り厳格化 「返済で困窮」歯止め 福祉機構検討
公的年金の実質的な「前借り」ができる国の「年金担保融資(年担)」について、実施主体の福祉医療機構が、融資の条件や審査を厳しくする検討に入った。年金からの天引きで返すため、返済時に年金受給額が大幅に減り、生活保護を受ける例が相次いでいるためだ。運用を本格的に見直すのは75年の制度開始以来初めて。専門家の研究会で3月をメドに見直しの大枠を固め、08年度中にも運用を改める予定だ。
厚生年金や国民年金を受ける権利を担保に取った融資は、高齢者の生活に深刻な支障が出る恐れがあるとして、原則禁止されているが、厚生労働省所管の独立行政法人・福祉医療機構だけが例外的に認められている。
融資残高は06年度末で約33万件、約2000億円。年金以外の収入や資産についての審査はなく、1回250万円までほぼ無条件で借りられる。翌々月以降の年金から一定額が天引きされ、完済すれば何回でも利用できる。使い道が「公序良俗に反する」「本人のためにならない」といった場合は貸せないとされるが、規定が抽象的で、実際には制限が緩い。
天引きで回収するため、機構側には焦げ付きはほぼ生じない。しかし、借り手側では、別の借金の返済や遊興費などのために年金を前借りし、返済時に収入がなくなって生活に行き詰まる例が多発。厚労省によると、年担返済による困窮を理由とした生活保護申請は06年4〜12月に3506件あり、うち3403件が認められた。
機構は「医療費など急な出費を賄うのに年担は役立つ」としつつ、困窮を招くような利用を防ぐため、運用の見直しに着手。(1)年金以外の収入や資産に応じて融資額を制限する(2)使い道を厳しく限る(3)1回の融資額の上限を引き下げる(4)融資の回数を限る——といった案を検討する。また、機構の資金調達の方法の変更に伴い、年担の金利も現在の年1.9%から上がる見込みだ。
年担については、生活保護予算を抑えようとする自治体が融資の厳格化を主張。貧困問題に取り組む弁護士らからも「老後の最低限の生活を保障する年金を担保に取ること自体、困窮と税金の無駄遣いを招いている」との声が出ていた。
〈年金担保融資〉 厚生年金や国民年金など公的年金の受給者に、福祉医療機構が年金を担保に貸し出す。1回の融資額は10万〜250万円で、年金額(年額)の1.2倍まで借りられる。年利は1.9%。連帯保証人か、保証料(年1.98%)がいる。公務員らの共済年金や恩給にも似た仕組みがある。その他の年金担保融資は法律で禁じられているが、悪質業者が違法に年金を担保に取る問題が相次ぎ、04年12月には罰則も設けられた。 【出典:朝日新聞】
こんな制度があったとは。。。知らなかった
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