2 月 24 2008
<介護従事者>8割に腰痛経験 滋賀医大グループが全国調査
介護従事者の8割に腰痛の経験があることが滋賀医大の北原照代講師(労働衛生学)らの研究者グループによる全国調査で分かった。訪問介護は小規模事業者が多いため実態がつかみにくく、全国規模の調査で実態が明らかになったのは初めて。豪州では人力に頼る要介護者の移動を減らす「ノー・リフティング・ポリシー」が普及しており、北原講師は「負担を減らす介護技術の発展が不可欠」と話している。
文部科学省の助成を受け、05年7〜10月に調査。全国402カ所の介護事業所に質問紙を郵送し、40都道府県395カ所の4754人(うち女性4262人)から回答を得た(回答率72%)。
「現在、腰痛がある」と答えたのは女性の54%、男性の55%。「就労後に腰痛になった」人は女性の78%、男性の76%に上った。就職前に腰痛がなかったのは2203人で、うち74%の約1600人が「介護の仕事について初めて腰痛を経験した」と、介護が腰痛のきっかけになったと回答した。一方、以前から腰痛があった1741人の39%が「悪化した」と答えた。
◇豪は機器活用、英は重量制限
ノー・リフティング・ポリシーは介護機器や福祉用具を活用することで、人の力だけによる患者の移動・移乗介助を極力少なくしようとする考え方。豪ビクトリア州政府は看護師の労働組合や支援者と協力して方針策定に取り組み、98年にプロジェクトをスタート。02年の報告書で「実施1年間で労災請求数が4割減少した」などの成果を公表した。被介護者を持ち上げる際の重量制限については、英国で「介護者が男性なら25キロ、女性は16・6キロまで」、ノルウェーでは「直立姿勢で25キロ」などと法制化されている。
日本では厚労省の「腰痛予防指針」があるが、人手によるのが「温かく、いい介護」という意識や、機械への抵抗感などから普及が進んでいない。同医大の垰田(たおだ)和史准教授は「非常勤ヘルパーの健康問題が潜在化してしまう。使い捨て労働が続けば、なり手がなくなる」と懸念する。【出典:毎日新聞】
介護職にとって腰痛は、職業病とも言える。介護ロボの研究も進んでいるが、やはり労働環境の改善が急務である
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