1 月 24 2008
全盲患者置き去り 医療と福祉の橋渡しを 医療ソーシャルワーカーの重要性高まる
堺市で起きた全盲患者公園置き去り事件は、命を預かる医療機関と身寄りのない患者の双方が抱える問題を解決できないまま、「放置」という最悪の結末に行き着いた。事件を契機に専門家からは医療と福祉の橋渡し役となる「医療ソーシャルワーカー(MSW)」の重要性を指摘する意見が相次いでおり、職員が入院患者を置き去りにした新金岡豊川総合病院でも不在だったMSWの配置を検討しているという。
MSWは医療機関などで働き、医療費の助成制度や在宅療養、社会復帰などに関する相談に乗り、患者やその家族をサポートする。昭和4年、聖路加国際病院(東京)に医療社会事業部が設置されたのが、日本での業務の始まりとされる。
「日本医療社会事業協会」によると、MSWは現在、全国に約1万1300人。社会福祉士のように独立した国家資格を持たないが、社会福祉士をMSWの採用条件にする医療機関が増え、最近では「医療チームの一員」として社会的な地位が高まっているという。
ただMSWの配置に法的義務はなく、配置は経営側の裁量に任されているのが現状だ。豊川病院は専門知識を持つMSWが不在で、入院患者の転退院に関する業務は遺棄を主導したとされる渉外係の男性職員(47)に一任していた。
NPO法人「大阪医療ソーシャルワーカー協会」の杉田恵子さん(51)は「ワーカーが患者やその家族と信頼関係を築くことで、(今回の事件も未然に)新たな展開をつくれたかもしれない。そう思うと残念だ」と話す。
豊川泰樹院長室長も「病院と患者の間に立つMSWは必要だと考えている。募集していい人が見つかればすぐにでも配置したい」としており、事件を契機にMSWへの期待は確実に高まっている。
同協会などでつくる「大阪社会福祉4団体連絡会」は21日、「入院置き去り事件について」と題する声明を発表。MSWの不在により、患者本人や家族らとの間で医療費の支払いや退院に向けての具体的な話し合いができなかったことが事件の背景にあると指摘し、国や自治体に対し福祉制度と施設などの充実を訴えた。
杉田さんは「事件が起きる前に現場からもっと問題提起すべきだった。豊川病院もきっと大変だったと思うし、私たちにとっても決して人ごとではない」と話している。【出典:産経新聞】
MSWを国家資格として、医療保険点数として認めることが大切だ
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