1 月 20 2008
養育費受け取る母子家庭2割未満 支援センターに相談殺到
■「子供のため」権利主張を
母子家庭を支援するため昨年10月、厚生労働省が東京・池袋に開設した「養育費相談支援センター」。開設以来、元夫からの養育費確保に悩む母親からの相談が殺到している。離婚後に子供の養育費を受け取る母子家庭は2割にも満たず、センターは「養育費は親としての義務であり、子の権利。あきらめずに根気よく交渉を」と呼びかけている。
「離婚した夫から養育費が振り込まれなくなった。これから高校受験を迎える息子の教育費にも困っている。どうしたらいいのか」
せっぱ詰まった声でセンターに相談があったのはオープン間もない昨年10月中旬。夫の浮気が原因で5年ほど前に協議離婚した女性(40)は長男の養育費として月4万円を受け取っていた。だが、昨年はじめから「借金の返済で余裕がない」と1万円に減り、5月からは振り込みが途絶えたままだ。
相談員は「これまできちんと振り込みを続け、子供への愛情もあるはず。まず家庭裁判所に調停を申し立ててみては」とアドバイスした。この女性は早速、解決に向けて一歩を踏み出したという。
◆◇◆
センター開設から3カ月。この間に電話とメールで寄せられた相談は約700件に上る。家庭裁判所の元調査官ら専門知識と経験のある担当者が相談に応じているが、「養育費の支払いが滞っているのに元夫の住所も仕事先もわからず連絡がとれない」など深刻なケースも多いという。
広野武センター長は「離婚時に口約束だけで安心してしまったり、別れた夫に二度とかかわりたくないと養育費を放棄したりする女性も少なくないが、養育費は子供の権利。父親の存在を実感させるためにも、あきらめずに根気よく権利を主張することが大事」と話す。
◆◇◆
厚生労働省の「全国母子世帯等調査結果報告」(平成18年度)によると、別れた夫から養育費を受け取っている母子家庭は約2割にとどまり、養育費の取り決めをしていない母子家庭は6割に達している。
しかも、母子世帯の年間収入は平均213万円。一般世帯収入563万円の4割にも満たず、離婚後子供を引き取った母親は父親の支援もなく厳しい生活を強いられている。
こうした実態を踏まえ、同省はセンターの開設とともに、各地方自治体の「母子家庭等就業・自立支援センター」に養育費専門相談員の配置を始めるなど、ようやく相談窓口の整備に乗り出したばかり。
不払いへの対応は離婚時の取り決めにもよるが、家庭裁判所への調停申し立てや、給与や財産を強制的に差し押さえる強制執行などさまざまな方法がある。
広野さんは「仕事と育児に追われる母親にとって、養育費の確保は大変な労力。でも、子供の将来のためにも父親にきちんと払わせるのも親の務め。また“逃げ得”を許さないという社会全体のサポートも必要」と訴えている。【出典:産経新聞】
母子加算が廃止され、生活が厳しくなっている。早く支援センターが機能してほしい
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