11 月 29 2007
障害年金横領疑惑:金銭被害、暴行証言相次ぐ−−支援施設調査 /奈良
◇劣悪な労働実態浮かぶ−−弁護団、損賠訴訟へ
広陵町の家具製造会社(破産手続き中)に住み込みで働いていた知的障害のある元従業員11人が、会社に障害基礎年金を長期間横領されたり、賃金を支払われていなかった疑惑が先月、浮上した。5月の経営破たんをきっかけに、元従業員の身柄を引き受けた障害者支援施設「青垣園」(大和高田市)などによる独自調査で発覚した。行政機関はどこも問題を見つけられなかった。聞き取り調査で、金銭被害や暴行の証言が相次ぎ、元従業員の労働や生活環境のひどさが浮かび上がっている。
元従業員の弁護団は先月15日、記者会見して、11人の就労期間は9〜35年、被害総額は数億円に上ることを発表した。損害賠償訴訟を起こす方針だ。
青垣園の職員らは10月、元従業員のうち6人に聞き取り調査をしている。「特に楽しいことはなく、ただ働くだけだった」。50代の男性元従業員は、04年の2代目の社長就任以降の状況をこう回答している。「(先代社長と違い)給料明細、貯金通帳を見せてくれず、給料ももらえなかった」「欲しい物を買うときは社長さんに理由を言わされ、買ってきた品物を見せるようにも言われた」と憤る。別の50代男性も「もっと服や食べ物を買いたかった」と漏らしている。
障害基礎年金は、本来障害者個人に月額6万〜8万円が支給される。しかし、弁護団によると、会社が通帳を管理、ほとんどの元従業員は存在さえ知らなかった。40代の男性は「年金があることも知らんかった。今までの年金や給料はここに持って来てほしい」と訴える。
暴力の存在は、調査に応じた全員が証言。社長や役員らに手や物差しで殴られたとの回答の他、「椅子を背中や肩に投げつけられた。悔しかった」「頭をベニヤ板で殴られて、血が出ていた人がいた」などの答えもあった。
他にも「夜中の3時までや日曜も働いた」と複数が回答。「体調が悪くても薬を飲んで我慢して仕事をしていた」「(寮は)暗く、狭かった」などの答えも出ている。
回答者のうち30年以上の勤務歴がある男性が毎日新聞の取材に応じた。男性は「悔しかった。殴り返してやろうと思ったこともある」などと心情を打ち明けた。会社の倒産でようやく解放されたことについて、「辞めたいと思っていた。ほっとしている」と語った。
知的障害者は、自らが被害に遭っていることさえ認識できないケースもある。労働条件に不満を感じても、別の働き口を見つけにくいことが、泣き寝入りの要因にもなりかねない。障害基礎年金の横領疑惑など弁護団の主張について、社長は先月14日、毎日新聞の取材に「今は話せる状況じゃない」と答えている。
関係行政機関の連携による労働状況のチェック態勢の構築はもちろん、知的障害者の採用に消極的だった自治体や大手企業が門戸を開き、就職状況の改善を図ることも再発防止のために重要だ。【出典:毎日新聞】
今後のゆくえが気になる。そして、他にも、このようなことが起きていないか、早急に調査してほしい
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