<300日規定>通達半年で出生届317件 推計超す
「離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子」と推定する民法772条で、離婚後の妊娠に限り「前夫の子ではない」出生届を認めるとした5月の法務省通達から半年。通達による出生届は全国で300件を超え、法務省が推計した年間の件数を上回った。しかし、通達では救済されず、無戸籍のままの子供がいる。法律専門誌が通達を疑問視する論文を掲載するなど、法学者からも抜本的な見直しを求める声が上がっている。
法務省によると、通達による出生届は今月2日現在317件、288件が受理された。5月には、受け付け開始を待って届けケースもあって77件を受理。その後は20〜59件で推移している。
法務局や家庭裁判所を通じた調査では「離婚後300日規定」に該当する出生は、年間約2800件で、救済対象となる離婚後妊娠は、その1割程度とみられていた。実際には該当例は大幅に多く、推計通りならこの半年間に約2700件の出生届が救済対象外だ。この中には、さまざまな事情で無戸籍となる子供もいるとみられる。
神戸市の主婦(32)は06年12月に米国人男性と離婚し、266日後の今年9月3日に男児を出産したが、無戸籍のままだ。前夫とは05年11月から別居しているが、医師に離婚後妊娠の証明を依頼したところ、妊娠時期を「06年12月中」と診断されたため、救済対象外の離婚前妊娠に該当する。前夫が裁判に協力してくれる見通しは厳しく、出生届を出せない状態だ。
法律専門誌「ジュリスト」(有斐閣)の10月1日号で「『300日問題』とは何か」と題した論文を書いた大村敦志・東大教授は「通達は、競合する二つの親子関係につき、実質に立ち入って判断を下すことを避けている」「証明の対象となるのは、あくまでも懐胎の時期」と通達を批判。10月に「家族と法」(岩波新書)を出版した二宮周平・立命館大教授は「出生の経過を最もよく知るのは母。前夫でも現夫でも母の届け出をそのまま受理できるような通達を出せば救済できる。届け出で父とされた前夫は、異議があれば裁判に訴えればいい」と話す。
【ことば】離婚後300日規定に関する法務省通達 離婚後300日以内に生まれた子で、出生届に「離婚後妊娠」を示す医師の証明書を添付すれば「前夫の子でない(現夫の子)」との届けを認める内容。5月21日以降の出生届から適用している。証明書には、妊娠推定時期が明記されており、その期間内の離婚では「離婚前妊娠」と判断される。不受理の多くがこのケースだ。【出典:毎日新聞】
何でこんなにも対応が遅いのだろう。そして、なぜ、こんなにも忘れるのが早いのだろう
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