9 月 24 2007
高齢者虐待防止、対応に差 立ち入り調査は4自治体のみ
高齢者虐待防止法施行から1年半。高齢者に対する昨年度の虐待が全国で1万2600件を超すことが厚生労働省の調査で明らかになったが、自治体により同法の運用に大きな差が出ていることが北海道弁護士会連合会の全国調査でわかった。事実認定のため、高齢者宅への立ち入り調査をしたケースはごく少数。介護者との緊急分離が必要なケースでも、施設に空室がなく措置がとれないなど、ハード面の不備も課題だ。
同弁護士会連合会が今年7月、道府県庁所在市と東京23区の計69自治体に調査票を郵送、34自治体から回答を得た。
「虐待では」との相談・通報数が多いのは横浜市729件、大阪市392件、京都市354件の順。30件以下の自治体も10あった。虐待と確認された数が多いのは大阪市329件、京都市255件、静岡市155件。通報数に対し確認数が76件と少ない横浜市は「虐待の疑いの時点での積極的な通報を勧めているため」と話す。確認数が30件以下の自治体は15。
早期発見のためのチェックリストを使用しているのは18自治体。通報を受けて、対応などを協議する職種横断的な検討会は約7割の25自治体で設置ずみだが、居宅への立ち入り調査を実施したのは4自治体、計11件にとどまる。21日発表の厚労省全国調査でも、立ち入り調査実施率は1.4%だった。
同法は自治体に「生命または身体に重大な危険が生じているおそれがある高齢者を一時的に保護するために、老人入所施設に措置する」よう求めている。しかし、入所判定委員会など措置決定機関がある自治体は約6割の21自治体。一時保護のための居室が「十分確保されている」のは3自治体、「ほぼ確保」が16自治体で、「かなり不足している」も5自治体あった。施設が満室の場合は、公営住宅への入居や老人ホームへの短期入所でしのいでいる実態がある。
同法が利用促進を求める成年後見制については「本人の資産がほとんどない場合、利用をためらう」「申請から決定まで時間がかかりすぎる」「親族が申し立ててくれない」「制度で救済できるのは金銭管理だけ。日常生活の管理が必要」などの意見があった。
再来年に予定される法改正で見直すべき点として「必要な介護を拒否するセルフネグレクトについて規定がない」「医療者から受ける虐待に対応できていない」「市町村では居室の確保などに限界。都道府県レベルの取り組みが必要」「立ち入り調査権が弱い」などがあがった。 【出典:朝日新聞】
専門知識を持ったマンパワー不足なのか。それとも組織的な問題か解らないが、この「格差」はあってはならない
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