6 月 18 2002
主客転倒
先日、中国の男の子が誘拐されたが、数日後には誘拐犯が捕まり、男の子は無事保護されたという報道があった。
多額の身代金が、その犯行の主な目的だったという。
その犯行に至るには、それぞれの理由があると思うのだが、犯行後は、到底逃げ切れるものではなく、例え逃げ続けられたとしても、その精神的な脅迫不安の中で、日々生活をしなければならないことを考えると、自分には理解できる行動ではない。
いずれにしろ、男の子が無事だったということは、本当によかったと思っていた。
しかし、これで、この事件が終わらなかった。
昨日、誘拐された男の子のご両親たちが逮捕されたということを新聞記事で知り、驚いてしまった。
逮捕された理由は、出入国管理法(不法残留)という法律に違反していたという。
中国から来たご両親たちは、ビザの更新をしないまま日本で働いていた。
そんなご両親たちの弱みを誘拐犯たちは知っていて、そのことで脅せば、捕まることなく安全に身代金が得られると考えていたのであろう。
誘拐犯たちの予想に反してご両親たちは、自分の子どもが誘拐されたことが解ると、すぐに警察へ通報していた。
警察へ通報したことで、誘拐犯たちが捕まり、事件が解決し、無事に男の子が帰った来た。
だが、今度は、自分たちが法を犯してしまった者として、取り締まられる側になってしまった。
新聞記事の中で、ご両親たちのコメントが載せられていた。
「いずれ警察が来ると思っていた。仕方がない」
「子供も6歳になったので、帰国しようと思っていた」
ご両親たちは、誘拐されたことを警察へ通報した時点で、こうなることをすでに覚悟していたと思う。
だから、ご両親たちが、どんな想いをしていたのか、軽々しく解ったとは書けない。
何故かすっきりしない、やりきれない想いが残る。
法治国家である日本。
でも、その法は、必ずしも人のためにあるとは限らない。
法で守られるときもあるが、法によって傷つけられることもある。
当然、法を厳格に守るということはしなければならないが、人のための法であることも、厳しく守っていかなければならないことだと思う。
そう考えた時、日本は、まだ可能性のある法治国家なのかもしれない。
人のための法がある国となるように。。。
いま男の子は、児童相談所で保護されている。
いつかご両親と一緒に中国へ帰った時、男の子は、どんなふうに日本を思うだろうか?
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